Japanese
English
綜説
治療薬剤による呼吸器系障害(I)
Drug-induced respiratory disorders (I)
塩谷 壽美恵
1
,
高崎 雄司
1
,
近藤 哲理
1
,
太田 保世
1
Sumie Shioya
1
,
Yuji Takasaki
1
,
Tetsuri Kondo
1
,
Yasuyo Ohta
1
1東海大学医学部第2内科
1Dept. of Int. Med., Tokai Univ.
pp.1268-1277
発行日 1983年12月15日
Published Date 1983/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204350
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はじめに
Hirschbergによりアスピリン喘息の報告が1902年になされているように,治療薬剤による障害は,医学的にも社会的にも重大な問題である。近年きわめて多種多様な薬剤が開発され,かつ多剤同時投与の傾向が強いと,この問題がさらに重要となる。
薬剤の副作用の機序についてRosenowは,overdosage,intolerance (cytotoxic),side effect,idiosyncrasy,allergic reactionの5つを挙げている。しかしながら,薬剤による障害発生のメカニズムは不明の点が少なくない。Hinshaw-Murrayの教科書では,病理発生の機序を,薬理学的なものと免疫学的なものとに大別し,前者を,治療効果,つまり薬剤の本来の使用目的である効果と,副作用とにわける。副作用の中には,idiosyncrasy,過量投与によるtoxicな反応,免疫学的反応,intolerance,そしてステロイド剤投与での日和見感染のようなfacilitativeな反応を含めている。
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