Japanese
English
特集 睡眠と呼吸
2例のsleep apnea syndromeと終夜睡眠モニター実施上の問題点
2 cases of sleep apnea syndrome, & a few problems in sleep studies
高崎 雄司
1
,
近藤 哲理
1
,
太田 保世
1
,
伊賀 富栄
2
Yuji Takasaki
1
,
Tetsuri Kondoh
1
,
Yasuyo Ohta
1
,
Tomie Iga
2
1東海大学医学部内科
2東海大学医学部精神科
1Tokai Univ. Dept. of Med. Division of Resp. Med.
2Tokai Univ. Dept. of Psychiatry. Division of Resp. Med.
pp.265-273
発行日 1983年3月15日
Published Date 1983/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204190
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1965年,Gastautら1)は,"Pickwickian症候群"の患者において睡眠時無呼吸を認め,以来傾眠を主訴とする多くの患者や,さまざまな疾患にも,睡眠時頻繁に出現する無呼吸が示された。このようななかで,1975年sleep apnea syndromeの概念が確立した。
本症候群の診断基準は,「7時間の睡眠中,NREM睡眠時にも認める10秒以上の換気停止が,30回以上出現するもの」とする,Guilleminaultら2)の定義が一般的に用いられている。しかしこれら患者の合併症状は,精神症状のみから,致死的なものまでさまざま3)で,全ての患者に治療が必要というわけではない。われわれは,本症候群の診断に際し,いかなる症例に早急かつ適切な治療が必要かを見極めることが,非常に重要と考える。以前より,本症候群の診断に必須である終夜脳波において,測定第一日目は覚醒している時間が長く,かつ睡眠相間の変化が多い,いわゆるfirst night effectの存在が,知られている4)また,種々の刺激に対する覚醒反応は,睡眠に伴い低下する3)ものの,どの場所において終夜睡眠モニターを実施するかは,sleep profileに影響する可能性もあり,非常に重要と考える。
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