Japanese
English
解説
眠ることの呼吸器疾患に対する悪影響
Sleep and its effect on pulmonary diseases
高崎 雄司
1
,
鈴木 英雄
1
,
成井 浩司
1
,
太田 保世
1
Yuji Takasaki
1
,
Hideo Suzuki
1
,
Kohji Narui
1
,
Yasuyo Ohta
1
1東海大学第二内科
1The Second Department of Internal Medicine, School of Medicine, Tokai University
pp.1443-1451
発行日 1985年12月15日
Published Date 1985/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204786
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睡眠は我々人間やその他の動物にとり非常に重要な生理的現象である。何故なら,仮にヒトの睡眠を極力減少させるように仕向けると,食思不振や全身倦怠感等の身体的症状.集中力欠如や精神不穏状態等の精神症状が出現するため,結局のところ一生の約1/3を我々は睡眠に費やさねばならないことになる。睡眠を簡単に定義するならば,睡眠とは覚醒状態の一時的な停止,もしくは中絶であり,その特徴は殆ど完全な運動及び感覚性活動の停止で,この状態は外部条件ではなく,内部の要求により発生するものである。更に,睡眠は覚醒しうる能力を有するので,外見上睡眠と似た昏睡状態等の意識障害と区別が可能である。
睡眠時の換気動態は当然のことながら,覚醒時と比べて変化が予想されるが,実際に両者での観察を行なうと,換気量等が変化していることがわかる。この原因には主に2つの要因が挙げられる。その第一は睡眠が呼吸調節機構に対し直接及ぼす影響であり,第二が仰臥位等の睡眠時の体位の影響である。近年,睡眠中の換気動態と呼吸調節機構が大いに注目を集め,その病態生理に関する様々な現象が解明されつつある。
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