解説
CNSLD, COPD, COLD, CAO, CAL?
高崎 雄司
1
,
太田 保世
1
Yuji Takasaki
1
,
Yasuyo Ohta
1
1東海大学医学部内科
1Dept. of medicine, school of medicine, Tokai University
pp.363-368
発行日 1981年4月15日
Published Date 1981/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203747
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現在原因未詳の肺傷害がおこり,この結果airflowobstructionによる肺機能障害を示す患者を,一般的に総称して慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pul—monary disease,以下 COPD と略す)という傾向にある。咳嗽,呼吸困難や喀痰排出を伴う閉塞性肺疾患患者に接した際,正確な診断が困難であるため,われわれはとりあえず,広い範囲の疾患を含むCOPDと診断しておけるので,有用であることが多い。しかし病理学的見地から考えると,COPDという診断名は正確な病態を反映していない。なぜならairflow obstructionを示すCOPDは,気道の病理学的な閉塞が認められることはほとんどないからである。またCOPDという病名は患者に"進行性で軽快の見込みがない病気"という印象を与える。このほかCOPDは原因,病理学的異常や自然経過が,種々異なる病気から成り立っていることも,診断名として不明確である1)。
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