Japanese
English
特集 肺胞過換気
呼吸筋ミオクロヌスの病態
Myoclonus of the Respiratory Muscles:Description of pathophysiology
近藤 哲理
1
,
金山 一郎
1
,
太田 保世
1
Tetsuri Kondo
1
,
Ichiro Kanayama
1
,
Yasuyo Ohta
1
1東海大学医学部内科
1Department of Medicine, School of Medicine Tokai University
pp.425-430
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900467
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はじめに
呼吸筋ミオクロヌスは横隔膜粗動という別称で知られる症候群で,横隔膜の高頻度(=高周波数)の間代性痙攣を特徴とする.本症の第一例目としては,顕微鏡の父と呼ばれるLeewenhoeckが息切れと心窩部の拍動を自覚し,医師に心悸亢進と診断されたが,彼自身は自分の脈拍はこの拍動より遅く規則的であることに気づいて,横隔膜に由来する疾患と考えた,という記録が知られている.以後1973年1)までの250年間に世界で48例が報告されている.本症はその第一例目からして,疾患自体に対する考察よりも心臓疾患の鑑別疾患として考えられた.そのためか,疾患概念は甚だ曖昧であり,粗動といっても,その周期は1分間に35回から480回までが報告されており2),横隔膜の間代性痙攣さえ含めば,他の呼吸筋を含むか否かにも基準がない3).痙攣の程度や,自発呼吸との関係,原因疾患も実に多様であり,名称については呼吸筋ミオクロヌス,横隔膜粗動,呼吸筋チック,Van Leeuwen-hoek's disease等多数が使われている.代表的な論文としてはDressler3),Rigatto2),Phillips1)らのものが知られている.
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