特集 カテコールアミン
心不全患者におけるβ-adrenergic刺激によるリンパ球内c-AMPの生成低下
小川 宏一
1
,
水口 一衛
1
,
伴 昌明
1
,
佐竹 辰夫
1
1名古屋大学医学部第2内科
pp.1173-1175
発行日 1983年11月15日
Published Date 1983/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204330
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心不全では自律神経系の緊張がみられ,放出されたNorepinephrineがβ-adrenergic receptorを刺激して,心筋のcontractilityと心拍数を増加して,心不全状態に対応している。しかしながら,心不全の病態研究のためにヒトの心血管系を生検し,直接細胞内の変化をみることは容易でなく,これに代わるものがあれば臨床上有用な知見が得られると考えられる。
近年,ヒトの末梢血リンパ球がadenylate cyclaseと結合したβ-adrenergic receptorを有することが知られ1,2),健常者や喘息患者で交感神経作動薬にさらされた後にadrenergic刺激に対するリンパ球内Adenosine−3',5’-cyclic monophosphate(C-AMP)生成異常が示唆されているので3〜5),心不全患者における同様の変化をみるために心不全患者よりのリンパ球のβ-adrenergic receptorの反応をisoprotenol刺激により検討し,C-AMPの生成と血漿norepinephrine濃度との関係を検討した。
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