Japanese
English
特集 ARDSの発生・進行要因
血液凝固障害とARDS
Disseminated intravascular coagulation and ARDS
松田 道生
1
Michio Matsuda
1
1自治医科大学血液学研究施設
1Dept. of Thrombosis and Hemostasis, Institute of Hematology, Jichi Medical School
pp.959-965
発行日 1983年9月15日
Published Date 1983/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204294
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本学附属病院開院後6年半(1974年4月〜1980年9月)の間に外科手術をうけた2,587症例について,ARDSとDICの存否を遡って調査したことがある。その結果,ARDSと診断された13症例のすべてにDICの存在が確認された1,2)。このことから,ARDSの発現にDICが寄与していることが示唆されたが, DIC症例のすべてに必ずしもARDSが発現したわけではない。したがって,DICはARDSの惹起因子の1つとなるにしても,別に何らかの要因が関与していると考えなければならない。
このような臨床観察に刺激され,外科学教室の有志と共同して,実験的にARDSモデルの作成を試み,そのときの呼吸循環系や血液凝固・線溶系の変動を観察した。また,各種の阻害剤を用いて凝固・線溶系を抑制したとき,呼吸循環系の変化がどのように修飾されるかをも検討してみた。その結果,この実験モデルで凝固系を抑制することが呼吸循環系を有意に改善する事実を確認した3,4)。
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