Japanese
English
増大号 計測する項目と記録断面がわかる! 病態別・類似疾患別心エコー検査のルーティン
各論(心エコー類似所見別または病態別)
7章 肺高血圧疾患
右心負荷病変
Right heart failure
木村 尚貴
1
1独立行政法人労働者健康安全機構 大阪労災病院 中央検査部
pp.487-497
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202980
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
右心負荷には大きく分けて圧負荷と容量負荷がある.圧負荷は後負荷増大による右室圧上昇を引き起こす病態で,主に肺高血圧やそれを引き起こす疾患が原因となる.第6回世界肺高圧症シンポジウムではPHの診断は右心カテーテル検査で平均肺動脈圧(mean pulmonary artery pressure:mean PAP)≧20mmHg,肺血管抵抗(pulmonary vascular resistance:PVR)≧3WU(Wood units)と改定された1).一方,容量負荷は短絡疾患や高度三尖弁逆流などによる右室容量増大に伴う病態である.容量負荷の原因となる先天性疾患や三尖弁疾患については,それぞれの項目を参照していただきたい.
本稿では肺高血圧症(pulmonary hypertension:PH)そのもの(表1)2,3)や,それを引き起こす肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism:PTE)を圧負荷疾患として取り上げる.また,容量負荷疾患として不整脈源性右室心筋症(arrhythmogenic right ventricular cardiomyopathy:ARVC)を取り上げる.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.