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特集 呼吸器疾患診断の新情報源
正常呼吸音と異常肺音(ラ音と喘鳴)の発生機序
The origin of normal breath sounds and abnormal lung sounds (crackles and wheezes)
毛利 昌史
1
Masashi Mori
1
1東京大学付属病院中央検査部
1Central Clinical Laboratory, Univ. of Tokyo
pp.493-501
発行日 1983年5月15日
Published Date 1983/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204223
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肺音は胸郭内で発生した物理的振動が胸壁に伝達し,音として聴取もしくは収録された物理的信号である。したがって,肺音を出力信号とみなした場合,その性状は1.音源(入力信号)の性状,2.音源の発生部位とその近傍の音響学的特性(共鳴周波数,Q値など),3.気道内および胸壁をふくむ気道外組織の音響伝達特性,によって決まる。肺音の発生機序を解明し,その性状を明らかにするにはこれらの規定因子についてそれぞれ検討する必要がある。
以下,正常呼吸音と異常肺音(断続性異常肺音(crackle)および喘鳴(wheeze)の発生機序について,われわれの肺音分析結果に基づき検討を加える。対象は健常者6名と諸種心肺疾患30例から収録した正常呼吸音と異常肺音であり,分析方法1,2)には波形分析とスペクトル分析を用いた。
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