呼と循ゼミナール
Exercise Induced Asthma—(その3)薬剤効果
堀江 孝至
1
1日本大学医学部第1内科
pp.250
発行日 1983年3月15日
Published Date 1983/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204188
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EIAに対する薬剤の阻止効果については多くの報告がみられる。使用薬剤はTheophyllin,α—blockcr,steroid,β刺激剤,抗コリン剤,DSCG (インタール),Ca拮抗剤など多岐にわたっている。これら各種薬剤の効果からEIA発生機序についての考察がなされているが,しかし薬剤効果の報告は多様で大きな混乱がみられる。
たとえばβ刺激剤の効果について,McNeillら(Quart.J.Med.35:55,1966)はアドレナリンが運動後のFEV1.0減少を完全ないし部分的に阻止するとし,Jonesら (Brit.J.Dis.Chest 56:78,1962)もIsoprenaline sulphateの有効性を認めているのに対し,Crompton(Thorax 23:165,1968)はその効果を否定する成績を示している。また,α受容体遮断剤Thymoxamineの効果をみたPatelら(J.All.Clin.Immunol.57:285,1976)はその成績から運動中に遊離されるノルアドレナリンにα受容体が反応し気管支攣縮をおこすと考察している。しかしIndramincやphentolamineでは効果がはっきりみられないとの報告もありα受容体の関与についてもはっきり結論はえられていない。
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