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心筋の酸素消費量は冠血流量と,冠動脈血からの酸素の摂取量,すなわち冠動静脈血酸素較差(動静脈血O2較差)との積で示される。生体内の心臓においては他の臓器に比較し,安静時でも冠動脈血からの酸素摂取率(O2摂取率)が70〜75%ときわめて高く1),心筋の酸素消費が増加しても一定に保たれ,心筋の酸素消費の増減は主として冠血流量の増減によって調節されるのが特徴とされている2〜6)。
しかしながら,これは心臓が生体内に自然のまま存在している場合に認められることであり,心臓を胸腔外に摘出し灌流した標本では冠血行動態が異なってくる7,8)。すなわち,摘出した心臓においては冠動脈がよく拡張し,冠血流量が多く,O2摂取率,動静脈血O2較差が低値を示すことが指摘されている7,8)。このような摘出心における冠血行動態,心筋酸素消費,心収縮性およびこれらの相互関係に関する報告は数多くなされており8〜19),われわれも心筋酸素消費量(心O2消費量)と心力学的負荷条件との関係などの詳細についてすでに報告20〜23)したが,心O2消費量と動静脈血O2較差との関係について詳細な検討を行った報告はみられない。
We studied the relation between myocardial oxygen consumption (MVO2), coronary blood flow (CBF), and coronary arteriovenous oxygen difference (AVO2D) in the isolated cross-circu-lated canine heart, whose left ventricular pressure and volume loads were controlled by a servo pump system. In 15 heart preparations contracting under a variety of loading condi-tions, CBF and oxygen saturations of coronary arterial and venous bloods were continuously measured.
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