呼と循ゼミナール
心臓病の非観血的診断法—(10)心膜炎
吉川 純一
1
1神戸市立中央市民病院循環器センター
pp.1134
発行日 1982年11月15日
Published Date 1982/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204114
- 有料閲覧
- 文献概要
心膜炎の分類には種々のものが提唱されているが,臨床的には,①急性心膜炎,②慢性浸出性心膜炎,③effusive-constrictive pericarditis,④収縮性心膜炎と分類するのが実際的である。
心膜炎は,心臓病の中では診断の難しいグループに属し,しばしば見逃されたり,他の疾患と誤認されたりしていることが多い。特に,急性ウイルス性心膜炎の軽症例はたんなる上気道感染やatypical chest painとして,収縮性心膜炎は慢性肝炎ないし肝硬変として扱われている場合が多い。このような心膜炎の診断に最も有用なのは,診断技術の中で最も基本的なphysical examinationや胸部X線,心電図,心エコー図などであり,逆に言えば心膜炎は非観血的な診断学の重要な教材となるものである。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.