呼と循ゼミナール
心臓病の非観血的診断法—(8)動脈管開存
吉川 純一
1
1神戸市立中央市民病院循環器センター内科
pp.934
発行日 1982年9月15日
Published Date 1982/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204081
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動脈管開存(patent ductus arteriosus:PDA)は心房中隔欠損・心室中隔欠損についでしばしばみられる先天性心疾患である。本症は,血液が動脈管を通過する際に生じる特徴的な連続性雑音(Gibson murmurまたはmachinery murmurと呼ばれる)が診断上のhallmarkであることでつとに有名である。したがって,連続性雑音=PDAと考えがちだが,同様の連続性雑音が他の多数の疾患で生じうることを忘れてはならない。成人で連続性雑音を聴取した場合,少なくともPDA以外に①Valsalva洞動脈瘤破裂,②冠動脈瘻,③肺動静脈瘻の3疾患を思い起すべきだし,venous humやto and fro murmurとの鑑別も必要である。妊婦であればmammary souffleもぜひ念頭に置いておくべきである。
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