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心筋梗塞発症に際しては,いわゆる不安定狭心症を前駆症状とし,また梗塞後においても,類似の安静または労作狭心症を合併する症例をしばしば経験する。かかる梗塞前および梗塞後狭心症の成因については,既に死後剖検による詳細な検討がなされ,多数例にて冠動脈内に新鮮血栓が認あられることより,atheromaの崩壊などによる狭窄病変の急速な進行がその主たる病態と考えられてきた1)。一方,異型狭心症2)の主病像である冠動脈攣縮spasmが本病型のみならず,広く冠動脈疾患(安静・労作狭心症および心筋梗塞)の発症・増悪因子として指摘されつつある3)。著者らは,かかる冠動脈spasmの心筋梗塞およびその発症前・後狭心症における意義を明らかにするため,梗塞前よおび梗塞後狭心症の臨床病像を明らかにしえた心筋梗塞症例について,冠動脈造影にて冠動脈ergonovine反応性を検討した。さらに,心筋梗塞急性期に冠動脈造影が施行可能であった症例については,慢性期での冠動脈造影像と対比し,心筋梗塞経過中における冠動脈形態変化およびそれに関与すると因子についての考察を加えた。
To examine the possible role of coronary arterial spasm in induction of acute myocardial infaction which accompanied the pre-and post-myocardial infarction angina, we attempted to demonstrate the hypersensitivity of coronary artery to ergonovine maleate. In all cases, un-stable angina preceded the onset of acute myo-cardial infarction and the post-infarction angina followed.
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