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虚血性心疾患は冠血管の閉塞性病変によりその灌流領域に出現する心筋の局所的な,病的現象である。そのため虚血性心疾患の病態を評価する上で,冠血管の病変を観察すると同時に,局所冠血流を正確に把握することはきわめて重要な意義を有している。
1971年Ganzら1)は持続的熱希釈法による冠静脈洞血流量の測定について報告したが,本法は,他法に比較し短時間にしかも反復して冠血流量を測定しうる利点をもち,手枝的にも比較的容易である。さらに正確性,妥当性に関しては,回路実験や動物モデルを用いての報告により裏付けられている1,3)。従って本法は,各種負荷時の冠循環の変化の把握4)や薬剤評価法5)としてきわめて有用な方法と考えられている。しかしながら冠静脈洞血流量は,左心室全体の血流量を反映1,2)しているため,局所的冠血流量とは言いがたい。そこでより局所的な冠血流を測定する目的で大心静脈血流量および冠静脈洞血流量を同時に測定することが可能なmultithermister flow catheterがWilton Webster社より開発された。
The evaluation of multithermister flow cathe-ter (Wilton Webster CCS-7/8-90 K) for simul-taneous measurement of blood flow in great cardiac vein and coronary sinus and clinical application of this catheter were described. The accuracy of flow measurement with this catheter has been validated by in vitro testing. The association between the measured flow and calculated flow from proximal and distal ther-mister was highly significant (p<0.001 r=0.99).
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