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1918年にZondekが,その後Fahr等が甲状腺機能低下症患者の心臓所見として,徐脈,心拍動の減弱,心拡大,心電図上の低電位差等の変化,およびこれらの所見が甲状腺剤投与により改善することを観察して,粘液水腫心と名づけて以来,本症に関する報告が多くなされてきた。甲状腺機能低下症の心血管系の病態については主として次の4つに要約されると思われる。即ち,1)甲状腺ホルモン不足による全身組織の酸素消費の減少,新陳代謝低下に基づくhypokinetic state,2)甲状腺ホルモン不足による心筋自体の変化,3)心嚢水の貯留,4)高コレステロール血症に基づく二次的冠動脈硬化病変である。
今回,三重大学第一内科へ入院し,臨床的に典型的な粘液水腫心と診断された5症例について,甲状腺機能低下症の心筋自体に及ぼす影響を見る目的で,心臓カテーテル検査時に心筋生検を行ない,光学顕微鏡および,電子顕微鏡にて検討を行ったので報告する。
The reports on myocardial changes in hypo-thyroidism referring to biopsied specimens were seldom encountered. We took biopsy specimens from the septum of the right ventricle in 5 patients with hypothyroidism during heart catheterization and observed by light and electron microscope to study myocardial changes. Light microscopical findings were as follows :
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