呼と循ゼミナール
心臓病の非観血的診断法—(5)大動脈弁閉鎖不全
吉川 純一
1
1神戸中央市民病院センター内科
pp.392
発行日 1982年4月15日
Published Date 1982/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203963
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大動脈弁閉鎖不全(AI)の大部分がリウマチ熱または梅毒によるものと考えられていた。しかしながら,最近では梅毒性のものが激減し,リウマチ熱のものは横ばいで,むしろ両者以外の原因によるAIが増えてきつつある。これらには,感染性心内膜炎,annulo-aorticectasia,解離性大動脈瘤,cystic medionecrosis,大動脈炎症候群,Valsalva洞動脈瘤ないしその破裂などがある。一方,患者の高齢化現象により動脈硬化性のものも増えてきており,同時に先天性のAIも少なからずみられるようになってきた。
本症の存在そのものの診断は聴診を主としたphysical examinationで容易であり,したがって本症においては成因診断や病態の把握,さらには手術時期の決定までにも向かうべきである。
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