Japanese
English
特集 気道閉塞
気道閉塞の不均等分布
Uneven Distribution of Airway Obstruction
冨田 友幸
1,2
,
立川 壮一
3
Tomoyuki Tomita
1,2
,
Soichi Tachikawa
3
1北里大学病院内科
2北里大学医学部臨床病理
3慶応義塾大学医学部内科学教室
1Department of Internal Medicine, Kitasato University Hospital
2Department of Laboratory Medicine, School of Medicine, Kitasato University
3Department of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.573-586
発行日 1972年7月15日
Published Date 1972/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202395
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気道の部分的閉塞または狭窄の存在が,生理的であるか病的であるかは別問題として,気管支炎・喘息・肺気腫その他の肺・気道疾患のみならず,健常人の肺においても,気道の大きさの不均等は存在する。気道の大きさの不均等は,形態的には常識であっても,病的な程度に不均等がある場合,きわめて高度な機能障害の原因となることがある。気道の大きさの不均等分布の存在によって,換気の不均等が起り,さらに血流分布とも関連して,ガス交換障害を生じ,血液ガスに異常を起こすのである。
しかしながら,このような高度の障害を起こすほどの気道閉塞があっても,閉塞の存在部位によっては,例えば末梢気道に閉塞があったとき,over allの気道抵抗の有意な変化としては現れないという問題がある。近年,esffective complianceのfrequency dependenceなどによって末梢気道閉塞の不均等分布を検出することの可能性も論じられているが,気道閉塞の不均等分布の検出方法を理解するためにはまず気道閉塞の不均等によって生ずる種々な機能障害のメカニズムを知る必要がある。
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