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特集 呼吸機能の不均等分布
呼吸機能の不均等分布—研究の歴史と動向
Uneven Distribution of Alveolar Gas Exchange, Survey
横山 哲朗
1
Tetsuro Yokoyama
1
1慶応義塾大学医学部内科学教室
1Department of Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.623-627
発行日 1971年8月15日
Published Date 1971/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202288
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はじめに
今日の理念に立脚した呼吸生理学は,ルネツサンス以降にその形を整えはじめたものでその歴史は決して古いとはいい難い。とくに近代的体系ができたのは今世紀に入ってからのことである。
ガス交換の場としての肺の機能の評価は主として肺全体overallについて出発したとはいうものの,その歴史をふりかえるとき素朴な形ではあったとはいえ"不均等分布uneveness"の思想は相当に古くからあったことを知ることができる。とくに今世紀初頭におけるガス交換の基本原理をめぐっての大論争にあたってとりあげられた,いわゆる肺胞気の概念のなかには,すでに死腔が重要な意味をもってとりあげられており,以下順を追って述べるように,肺胞気組成の不均等分布をめぐる諸問題が,すなわち肺の機能の不均等分布そのものに関連した課題であったとみることができる。
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