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特集 カテコールアミンと心臓
心室筋膜電流に対するアセチルコリンとアドレナリンの作用について
Effect of acetylcholine and adrenaline on membrane currents in ventricular muscle
大地 陸男
1
Rikuo Ochi
1
1順天堂大学医学部第2生理
12nd Dept. of Physiology, Juntendo Univ.
pp.1103-1109
発行日 1980年10月15日
Published Date 1980/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203644
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心室筋の膜電流に対して,交感神経作用物質のアドレナリン(Adr)や,迷走神経伝達物質のアセチルコリン(ACh)がどう作用するかということを述べる。
Adrが緩徐内向き電流slow inward current(Is, Ca電流)を増大することはよく知られた事実である。H.Reuterらのvoltage clamp実験によると,Isは電位,時間依存性に変化なくAdrにより増大する。そこで彼等はAdrはβ作用によってサイクリックAMPを増加させ,それによってプロテインキナーゼを活性化してCaチャネルの燐酸化をおこし,利用不能のチャネルを利用可能に変換する,即ちAdrはCaチャネルの数を増加すると推論している。Adrにはもう一つ作用があってR.Tsienはプルチン線維の時間依存性外向き電流(IX),心室筋では(IK)がAdrで増大することを報告している。
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