醫學のあゆみ・9
アセチルコリン(非腺性ホルモン)
杉 靖三郞
pp.47
発行日 1952年4月15日
Published Date 1952/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907034
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體内には20幾種類かのホルモンが分泌されているといわれます。その數多くのホルモンは,あるいは多く,あるいは少く分泌されますが(多いとか少いとか云つても,その分量は極めて少いもので,何mgか,その何百分の1くらいのものです)。それらのホルモンは,互に影響し合いながら,直接に,または神經を介して間接に,體のなかの臟器や組織に影響して,體の平衡を保ち,健康な生活を營ませてくれるのです。
ところで,ホルモンとは何をいうか,ということですが,はじめは,腺性器宮で,管がなく直接に血液の中に出される分泌物ということでしたが,この頃では,この定義は變つて來ました。すなわち,心臟の迷走神經や交感神經の末端や,運動神經の末端のような非腺性組織から分泌される化學物質までも,ホルモンとよぶようになりました。それで,これまでのように腺性器官から分泌されるものを内ホルモンとよび,非腺性組織から分泌されるものを外ホルモンとよぶようになりました。また腺性ホルモンおよび非腺性ホルモンともよびます。
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