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特集 カテコールアミンと心臓
カテコールアミン研究を顧みて
Retrospect on catecholamine research in our laboratories
橋本 虎六
1
1食品薬品安全センター秦野研究所
pp.1096-1101
発行日 1980年10月15日
Published Date 1980/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203642
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カテコールアミン研究会が今回結成され,今後定期的に例会が開かれるとのことである。その第1回の例会に招待を受けたのは光栄の到りである。この領域には,Langleyの昔から医学史に名を永久にとどめる碩学が輩出し,その数は両手の指では足りない。その中にはノーベル賞受賞者が片手の指一杯の数はいる。人間には定年があっても学問には停止はないといわれるが,この領域からは,すばらしい学者が次から次へと世界のどこからでも時代の先頭に現われてくる。これはカテコールアミンの研究が医学のあらゆる部門に関連をもち,何か系統的に医学研究に携わつていれば,大なり小なり関連を生じ,誰もが避けて通れぬ研究対象になるからと思う。この領域の研究が基になって生れた新しい考え方,新しい発見が,他の領域にまで拡がっていった例は枚挙のいとまがないし,何か新しい研究方法が発見されれば,早速この領域の研究に応用されたことも珍らしくない。ひとわたりそのような輝かしい先達の業績を追って見ただけで気がすくんで,ことさらに私共の研究を紹介する気力をなくしてしまうが,私がかつての共同研究者と一緒にやってきたあとを顧みて当日お話ししたことを,ここでもう一度書き改めて,さらりとした読みものにしてみた。
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