呼と循ゼミナール
"Negative Contrast Echocardiography"
小川 聡
1
1慶応大学内科
pp.380-381
発行日 1980年4月15日
Published Date 1980/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203549
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コントラスト心エコー図は,Gramiakらによって導入された方法である1,2)。末梢静脈からの生理食塩水あるいはindocyanine green溶解液の注入により,音響インピーダンスの差が原因となって小水泡状エコー(コントラスト)が生じ,心腔内を充満する様子が観察される。元来,本法は心エコー図上の心室中隔あるいは心内膜エコー等のエコー源の同定に用いられていたが,その後,心腔内での血液短絡の検出法として有用であることが認められ,先天性心疾患の診断に広く用いられるようになった。特に心臓断層法との併用により,更に詳細な情報が得られている3)。
図1は心房中隔欠損症患者から記録された断層図で,右房(RA)および左房(LA)を境する心房中隔エコーの欠損部が明瞭こ描出されている(図1左,ASD)。このように心断層法では,通常の心エコー法とは異り,欠損孔を直接観察できることから心房中隔欠損症の診断は比較的容易である。
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