綜説
Echocardiography
島田 英世
1
,
SEGAL B. L.
2
Hideyo Shimada
1
1Hahnemann Medical College and Hospital, Philadelphia, Pennsylvania, U. S. A., and Department of Medicine, School of Medicine, Keio University
2Hahnemann Medical College and Hospital, Philadelphia
pp.833-842
発行日 1967年10月15日
Published Date 1967/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201825
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はじめに
超音波が,医学の領域に広く利用されるようになったのは,第2次世界大戦前後のことであった。まず治療面に,次いで診断面へも応用され,今日では,技術面での進歩によって,きわめて広い範囲に用いられるようになった。診断面への利用法のうち,心血管系への応用を試みたのは,スウェーデンのEdlerとHertz1)2)4)とであった。彼らは,pulse-echo technicによるreflectscopeを利用して,いろいろの実験を行ない,1954年,初めていわゆる「心臓壁」の動きを連続的に記録する装置を開発し1)5)12)〜14)19),これが臨床的に有用であることを発表した。Echocardiographyまたはultrasoundgraphyと称せられるこの方法は,従来までの単なるreflectscope,すなわちechoの強度と深さを示す"A"presentationの他に,時間の単位を加えて,3次元の現象を一度に表現する,"B"presentationを診断法として用いる点に特徴がある。したがって,同じ超音波を用い,心機能検査にも利用されるDoppler法,scanning法などは,一般にはechocardiographyの名称を用いない。
Edler,Hertzらの最初の発表1)2)4)は,僧帽弁狭窄症(以下MSと略),滲出性心膜炎(以下PEと略)に診断的価植があると述べている。
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