ジュニアコース
Ultrasoundcardiography(Echocardiography)
島田 英世
1
Hideyo Shimada
1
1小平記念東京日立病院内科
1Department of Internal Medicine, Tokyo Hitachi Hospital
pp.1101-1108
発行日 1970年12月15日
Published Date 1970/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202216
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はじめに
超音波の医学的応用の試みは,1940年代に始り,特に,第二次大戦後に見られた,エレクトロニックスの発展に伴い,技術面での大幅な改良が加えられ,器械の精度も著しく向上した。それとともに,その応用分野も次第に拡大され,今日では,将来性ある分野として,かなり注目されるに至っている。
これらのうち,診断面で最も活用されているのは,反射法(echo法)と称せられ,間歇的に発射される超音波の生体内からの反射を観察し,診断に有意な情報を得ようとする方法である。
必臓の機能検査法として利用されているのは,echoの強さと,その深さとを一つの平面上に表わす,いわゆる“A” presentationの他に,時間の単位をも加えた,三次元の現象を,一つの平面上に表現しようとする方法で,“B” presentationまたは,time position indicationと称し,一般には,ultrasoundcardiographyまたは,echocardiographyと呼ばれている。国際的な略称ではないが,我が国では,UCG法という呼び方が一般的である。この方法は,スエーデンのEdlerとHertz1)によって開発され,欧米では,循環器検査法の中で,routine methodとして活用されている。
筆者もすでにこの検査法について,本誌上に,綜説“Echocardiography”2)および,装置と方法“Echocardiograph”3)と題して,述べたことがあるが,今回は主としてきわめて実用的な面から,本法の利用法と,問題点とについて述べたいと思う。
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