基礎医学
Acid-Base Terminology—おたがいに使う言葉の誤解を避けよ
河合 忠
1,2
1中央鉄道病院
2順大臨床病理
pp.862-866
発行日 1966年6月10日
Published Date 1966/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201353
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酸塩基平衡の異常はなぜ理解しにくいのだろうか。化学的に容易に理解される体液中緩衝物質の調節作用に加えて,生命が示す複雑な,しかし合目的な臓器調節作用があるためである。ところが,問題をいつそう複雑にしているのは,われわれ医師が使う言葉のいたずらなのである。ある医師の言葉は生命の動きにできるだけ忠実に表現しようとするが,他の医師の言葉は検査データーを中心に話を進めようとするのである。同じ言葉が,それを用いる医師によつて意味を異にしているために,新しく学ぼうとする医師を混乱させるのである。では,アシドーシスあるいはアルカローシスとは何を意味すべきなのだろうか。
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