呼と循ゼミナール
電気除細動器とcardioverter
高木 誠
1
1京都市立病院内科循環器
pp.486
発行日 1979年5月15日
Published Date 1979/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203362
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心室細動の電気除細動に関する研究が積極的に行われるようになったのは1930年代からで,当時電気器機の普及により多発する感電事故による心室細動を救うためといわれている。人体での心室細動の電気除細動は1947年Bechにより開胸下で最初に成功し,ついで1956年Zollらにより胸壁上からの除細動が行われている。1957年Johns Hopkins型交流除細動器が完成し,交流除細動器は主として米国の病院で普及されるようになった。
電気除細動器が病院に普及されると,その主たる対象は感電事故より,むしろ内科領域では虚血性心疾患を中心とする心室細動となり,外科領域では心臓手術に関係する心室細動となった。この頃使用されていた交流除細動器は比較的大型で,しかも交流電源を必要とし病院内ことに手術場のような固定した場所での使用には適していても,何時何処の病棟で発生するか知れない緊急事態に対しては移動と準備に時間がかかり必ずしも満足すべきものではなかったし,まして開発の本来の目的であった感電事故のように病院外で発生する事故に対処して,院外へ持出すことは全く不可能であった。
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