特集 肺高血圧症
原因不明のびまん性間質性肺炎(IFA)と原発性肺高血圧症(PPH)の比較—pulmonary connective tissue disease(PCTD-笹本)の立場から
近藤 有好
1
,
熊野 英典
1
1新潟大学医学部第2内科
pp.27-34
発行日 1979年1月15日
Published Date 1979/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203300
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原因不明のびまん性間質性肺炎(IFAと略す)は肺胞壁の線維化を来す疾患であり,原発性肺高血圧症(PPHと略す)は肺の血管系の疾患である。この2つの病態は明らかに異なるentityに属する疾患であるが,両者には共通点も多い。例えばFig. 1に示す如く,いずれの疾患でもその一部に免疫異常,あるいは免疫異常と関連すると思われる他臓器病変を伴う場合が知られている。また,肺胞壁の線維化と肺の血管系の疾患の両者に共軛するものは肺の結合織である。結合織の疾患で,同一症例に2つ以上の疾患がみられる場合には,mixed connective tissue diseaseあるいはoverlap syndromeとして注目されているが,IFAとPPHまたは膠原病肺をも含め何か共通的な成因的要素があり,triggerの差によって現われる病態を異にしている可能性はないであろうか。
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