特集 肺高血圧症
巻頭言
肺高血圧症—pulmonary connective tissue disease(PCTD)という考え方から
笹本 浩
1
1東海大学
pp.3
発行日 1979年1月15日
Published Date 1979/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203295
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いわゆる難病で,肺関係のものとしてはサルコイドージス,肺線維症,原発性肺高血圧症がとりあげられている。この中,後の二者については共通的な因子が数多くみられる。図は近藤氏(新大)が第5回箱根呼吸カンファレンス(昭52.5.21-22)および「呼と循」(26:3, 1978)に発表されたものであるが,図中下段のdiffuse interstitial pneumoniaをprimary pulmonary hypertension(PPH)とおきかえてもそのまま通用すると思う。
近年 mixed connective tissue disease(MCTD)(Sharp, G. C. et al:Am. J. Med., 52:148, 1972)やOverlap症候群(山前,西海,安倍:最新医学,27:1156,1972)などの概念が出され,同一患者が同じ時期に二つ以上の診断基準を同時に満足する結合織疾患が問題となっているが,MCTDが真に新しい疾患単位なのかは今後の問題である。Overlap症候群も二つの疾患が偶然に同一患者にみられたものではない,とされている。
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