循環器疾患診療メモ
原発性肺高血圧症 primary pulmonary hypertension
高尾 信廣
1
,
山科 章
1
,
小林 智
2
1聖路加国際病院・内科
2心臓血管研究所付属病院・循環器内科
pp.176-178
発行日 1988年1月10日
Published Date 1988/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221506
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原発性肺高血圧症(以下PPHと略す)は,比較的稀な疾患であり,その発生頻度は全ての心・血管患者の約0.2%と言われる.PPHは原因不明の肺高血圧で,肺動脈にEisenmenger症候群類似の閉塞性変化を生じる.病理学的所見では中膜肥厚,内膜線維化,壊死性動脈炎,plexiform lesionなどが見られる.ひとくちにPPHと言っても,その原因,経過,予後もさまざまで,実際には一つの症候群と考えられている.ここでは若年または中年の女性に多く見られる予後不良のPPHについて解説する.
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