特集 肺高血圧症
免疫異常を伴った肺疾患—とくにPPHとIFAについて
兼本 成斌
1
1東海大学医学部内科
pp.21-26
発行日 1979年1月15日
Published Date 1979/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203299
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原発性肺高血圧症(PPH)は原因不明の肺高血圧症で,現時点では一つの臨床症候群を構成する"くずかご"的な名称である1,2)。臨床病理学的には不明の肺血管病変(病初期には機能的な変化を含めた)にもとづく肺高血圧(PH)と右室肥大(RVH)に由来する症状と所見がすべてであり,PPHと積極的に診断できる所見はなにも捉えられていない1,2)。
一方,特発性線維化肺胞炎(IFA)は肺の線維化を招来する進行性の原因不明のびまん性間質性肺炎で,咳嗽,息切れを主訴とし,胸部X線像ではびまん性に粒状,輪状あるいは両者の混合像を呈し,拘束性障害,拡散障害,低酸素血症などを来す一つのclinicopathological entityである3)。
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