講座 図解病態のしくみ 膠原病・9
MCTD(Mixed Connective Tissue Disease)
高崎 芳成
1
1順天堂大学医学部・膠原病内科
pp.1108-1115
発行日 1991年6月10日
Published Date 1991/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900938
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Mixed Connective Tissue Disease(MCTD)は1972年,Sharpら1)によっていくつかの膠原病の症状を併せ持ち,特徴的な血清学的所見を認める一つの独立した疾患単位として報告された.以後この疾患の臨床像,免疫学的異常所見,病理学的所見などについて多彩な報告がなされた,しかし,これらの報告では同一の所見について検討しながらも,しばしば一様な結果が示されていない.このことは,種々の膠原病の症状を併せもつこの疾患自体の特性に加え,その明確な診断基準が示されず,各施設によって抽出された患者群が異なっていたことによる可能性もある.これらの問題点をふまえ,本稿では厚生省の混合性結合組織病調査研究班の報告を主として参考にし,この病気の概念,診断および治療などについて述べる.
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