特集 肺高血圧症
肺動脈圧の非観血的測定
青柳 卓雄
1
1日本光電工業株式会社計装部
pp.35-44
発行日 1979年1月15日
Published Date 1979/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203301
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
肺循環は呼吸と循環の接点であって,慢性および急性の患者の全身的管理の上で重要な意義をもつものであることは,今更言うまでもないことである。しかし大循環にくらべて肺循環は,胸郭内部に限局されていて外部から容易に到達しえないので,その測定には困難があった。近年にいたりSwan-Ganzのcatheterの開発により比較的容易に測定できるようになったが,肺高血圧患者はcatheterによる機械的刺激に対する感受性が高まっており,また侵襲の少なからぬことなどからも,大循環におけるRiva-Rocciの方法に匹敵するような,肺動脈圧を非観血的に測定するすぐれた方法の開発が期待される。
肺動脈圧の非観血的測定法としては,これまでいろいろな方法が検討されている1)がまだ問題があるようである。我々は今回impedance plethysmographyによって,肺動脈の脈波を観測しうるというこれまでの知見2,3)に立脚し,その装置および手技に工夫を加えて,この課題の解決の可能性を検討した。
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.