Japanese
English
綜説
冠動脈の神経支配
Nervous control of coronary artery
内田 康美
1
Yasumi Uchida
1
1東京大学医学部第2内科
12nd Dept. of Int. Med., Univ. of Tokyo
pp.835-841
発行日 1978年9月15日
Published Date 1978/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203241
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自律神経系は生体のhomeostasisの一環として,直接的間接的に冠循環調節に重要な役割りをはたしている。自律神経系は大別して交感神経と迷走神経とにわかれ,それぞれ遠心線維と求心線維とに分かれている。遠心線維は心筋,刺激伝導系とともに冠動脈平滑筋の活動を支配し,一方,求心線維は心筋や冠動静脈の受容器からの情報を中枢に伝達し,遠心線維とその効奏器の活動を制御している。心臓を支配している自律神経は,心臓全体の調節の一環として冠循環調節を行っており,生体においては冠循環のみが独立して調節を受けることはない。正常冠循環状態では,自律神経はほぼ合目的的に調節を行っているが,冠循環に異常がある状態では逆に異常を増強する方向に作動する場合もある。
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