Japanese
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綜説
急性心筋梗塞症例に対する亜硝酸剤の適応
Role of nitrates in acute myocardial infarction
友田 春夫
1
Haruo Tomoda
1
1東海大学医学部内科
1Department of Cardiology, School of Medicine, Tokai University
pp.720-728
発行日 1978年8月15日
Published Date 1978/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203227
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nitroglycerin, isosorbide dinitrateなどの亜硝酸剤が狭心症に対し特効的な効果を有することは異論がないが,いわば狭心症の進行した状態とも言うべき急性心筋梗塞症例に対する亜硝酸剤の適応については未だ一定の見解がないのが現状であろう1〜3)。しかしながら,医療の現場にあるわれわれ臨床医にとっては,急性心筋梗塞症と亜硝酸剤とのかかわりには無関心でいられない面がある。すなわち,例えば長年にわたり狭心痛を有している症例が,通常より強い胸痛を認めた場合,やはりまず亜硝酸剤を服用する場合が多いし,さらに胸痛が持続し急性心筋梗塞の疑いにて救急外来を受診するまでには,患者自身または家庭医の指示により亜硝酸剤を追加服用している場合も少なくない。また急性心筋梗塞症の経過中に胸痛の再発がみられる場合,その疹痛の性質・心電図所見からみて,梗塞の再発というよりむしろ狭心痛として対処すべきと考えられる場合もあり,このような時の亜硝酸剤投与の可否も深刻な問題である。
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