Japanese
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講座
呼吸ガスとしてのN2
Role of nitrogen in pulmonary physiology and medicine
吉田 稔
1
Minoru Yoshida
1
1福岡大学第4内科
14th Dept. of Int. Med., School of Med., Fukuoka Univ.
pp.975-983
発行日 1977年11月15日
Published Date 1977/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203120
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大気中に78.09%存在するN2ガスについては,長い間呼吸生理学の分野では研究上の興味,関心の対象外にあり,種々の呼吸ガスの中にあっては,まま子stepchild扱いにされて来たといえよう1)。
元来N2ガスは有害,有毒なガスmephitic gasと考えられ(Rutherford,1772),これによっては生命を保つ事ができない所からLavosierはN2をAzote (Nitrogenの古名)とも呼んだ。つまりN2は生体のガス交換に必要なO2を希釈するためにのみ存在しているのであって,生体の種々の代謝機構にとって何ら有用性を持たず,かつ生理学的にもその重要性は見出されていなかった。
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