Japanese
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特集 急性呼吸不全
「悪循環」としての急性呼吸不全
Acute Respiratory Failure and Vicious Cycle
諏訪 邦夫
1
Kunio Suwa
1
1東京大学医学部麻酔学教室
1Dept. of Anesthesiology, Faculty of Med. Univ. of Tokyo.
pp.575-581
発行日 1977年7月15日
Published Date 1977/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203067
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I.急性呼吸不全を「悪循環」として考えよう
本論は「急性呼吸不全の病態と治療」を特に「悪循環」という観点から考察し,病態の考え方として標準的な方法とは異ったアプローチを試みたものである。
急性呼吸不全を把握するアプローチには実に数多くのものがある。今,これらを整理してみよう。1960年代の始めから現在に至るまで臨床家が採用したのは主として生理学的アプローチ,特に肺のガス交換,さらに限定すればPao2,シャント率,死腔といったパラメータを中心においた考え方であった1〜3)。これに対し同じ呼吸生理学でも換気力学,特に換気仕事量を重視する観点もある4)。特にベトナム戦争の経験から"DaNang Lung Syndrome"と命名されもしたある種の呼吸不全は,この視点を重視している。
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