連載 開拓保健婦に看護のルーツを探る・10
すべて悪条件の開拓地に踏みこんで
小島 ユキエ
pp.1022-1023
発行日 1986年12月10日
Published Date 1986/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207254
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無医の荒野で開拓保健婦は活動開始
昭和58年末の病院総数は9,515施設で,そのうち国立429,公立1,074施設であり,公的病院(日赤,済生会,厚生連ほか)294施設を加えたとしても国公立病院は1,809施設に過ぎません.対照的なのは私的医療機関で7,718施設ですから,実に81.1%を占めることになります(厚生省統計).これは開業医制を中心に発達してきた日本の医療の特色で,世界に類例がありません.当然,経営に重点をおく個人病院としては,貧しい人口過疎地には開業しません.
したがって,昔開拓者が入植した広漠たる荒野や山岳地帯は,全くの無医地区でした.
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