Japanese
English
綜説
ヘリウム・フロー・ボリウム曲線
Flow-volume curves breathing air and helium-oxygen mixture; a test for detection of small airway disease
鈴木 俊介
1
,
飛田 渉
1
,
佐々木 孝夫
1
,
滝島 任
1
Shunsuke Suzuki
1
,
Wataru Hida
1
,
Takao Sasaki
1
,
Tamotsu Takishima
1
1東北大学第1内科
11st Dept. of Int. Med. Tohoku Univ. School of Med.
pp.376-382
発行日 1977年5月15日
Published Date 1977/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203043
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I.small airway diseaseへの呼吸生理学的アプローチ
慢性閉塞性肺疾患の初期病変の場として,直径2mm以下のsmall airwayが注目されており,この部の気道抵抗は全気道抵抗のうち20%以下に過ぎないところから1),silent zoneと呼ばれている2)。近年,ルーチンの肺機能検査では異常を検出しえない喫煙者のなかに,small airwayの機能障害を示す例が多く存在することが明らかにされた3〜6)。そして,その為のsmall airwayの機能検査法として,動肺コンプライアンスの周波数依存性,クロージング・ボリウム,フロー・ボリウム曲線などが使用されている。
これらのうち,フロー・ボリウム曲線は実地上,その使用は簡便であり,喫煙の影響や大気汚染の影響の検出に多人数を対象として用いられている7〜10)。しかし,正常人の測定値のバラッキが大きく,正常値の設定が困難であり,フロー・ボリウム曲線の測定に際しては,この点充分な配慮が必要である11)。
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