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臨床的把握の容易さからか,左室不全,右室不全というunilateral ventricular failureの概念にくらべ,心臓全体を一つのものとして,病的状態では機能低下を生じる1)とする考え方は,なぜか一般的ではない。心筋収縮性の低下と.心室としてのポンプ作用の関係も種々議論されているが,心室としてのポンプ作用を論ずるにあたっては,古典的ともいえるventricular function curve2)をとりあげるのが常道である。この際afterload3)一定の条件が前提としてあることは重要な点である。例えば,何らかの条件で,厳密な意味での左室機能障害がおこった場合,同時に右室の心拍出量低下と右室拡張終期圧の上昇が存在しても,左室拡張終期圧の上昇にもとづくpcstcapillary pulmenary hypertensicnをきたしていれば,右室機能の低下については,論ずることができなくなる。
左室不全から生じた肺高血圧に対し,右室は正常の機能曲線群の中で作動はしているが,右室拡張終期圧を異常に上昇させて対応しなければならないのか,あるいは,左室不全は元来程度の差はあっても右室機能を低下させるのか,に関する検討が本論文の目的である。
The effect of the depressed left ventricular function upon the right ventricular function was investigated in eleven anesthetized open-chest dogs. Left atrial pressure (LAP) was arbitrary controlled by the reservoir connected to the left atrial appendage. The afterload to the right ventricle (RV) during the stepwise increase in left ventricular preload was not significantly different between control state and diseased left ventricle (LV) produced by the ligation of the left anterior descending artery (LAD).
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