肺のCO2 response curve

CO2 ventilation response curve

　呼吸によるガスの交換は，生体内における酸素のストックがきわめて少いこと，体内で生成されるCO₂が酸として莫大な量であること，以上2つの理由によって少しの間も休むことができない。従って，このガス交換の結果きまる血液ガスのレベルが一定に確保されるよう強力な調節系の存在することは容易に想像される。

　これら血液ガスのうち，普通の空気呼吸時においては，CO₂がもっとも強力な呼吸調節因子であることが，今世紀始めにJ. S. Haldane^28）により見出された。本稿では，この問題について今日の知見を解説したい。