特集 末梢気道の病変
small airway diseaseの診断における呼気O2,CO2曲線およびHe,SF2同時洗い出し曲線の意義
大久保 隆男
Udo Smidt
1
1Bethanien Hospital
pp.27-36
発行日 1977年1月15日
Published Date 1977/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203000
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今日まだsmall airway diseaseの定義については,一般に広く受け入れられているものがないが,この用語は慢性気管支炎や肺気腫の初期の段階と考えられるものに用いられている。Hogg,Macklem,Thurlbecksら(1968)は初期の慢性気管支炎でのsmall airwayの狭窄を強調し,一方Bates,MacklemとChristie(1971)は慢性気管支炎でのsmall airwayの減少,または肺気腫での"著明な"減少を記述している。Cumming & Hunt(1968)はsmall airwayが多分機能異常を呈する最初の場所であろうが,これらの所見に対応する形態学的変化は常に明確というわけではない,と指摘している。細気管支の炎症,閉塞,拡張,壁の虚弱化などの病理学的変化は慢性気管支炎でしばしば認められるが,機能的な方法では仲々診断され難い。細気管支炎とは多分,慢性気管支炎とあるタイプの肺気腫を結びつける位置にあるものと考えられる。
しかしながら一方では,気管支炎と肺気腫とが初期の段階から既に異なった疾患であるということも確かである。small airwayの狭窄と減少は必らずしも機能的な障害を起すとはかぎらない。
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