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講座
補助循環の現況(I)—右心バイパスと左心バイパス
Current progress in assisted circulation
小柳 仁
1
,
梅津 光生
2
,
今野 草二
1
Hitoshi Koyanagi
1
,
Mitsuo Umezu
2
,
Souji Konno
1
1東京女子医科大学心研外科
2早稲田大学理工学部機械工学科
1Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical College
2Dept. of Mechanical Engineering, Waseda Univ.
pp.405-412
発行日 1976年5月15日
Published Date 1976/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202901
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近代的なCCU (Coronary Care Unit), mobile CCU,ペースメーカ,抗不整脈剤,心蘇生法,除細動器などを総合したいわゆる心蘇生学1)ともいうべきものが,各科の領域をとりはらったかたちで臨床家のものになってから約10年の歳月が流れた。この間,急性心筋硬塞におけるRhythm death2)については,明らかな改善が得られたものの,心力学的心不全(いわゆるpower failure,muscle failure)についてはCCU開設前と,その救命率の点で本質的な差は残念ながら認められない3)。この点での改善飛躍がないかぎり,急性心筋硬塞における救命率の向上には地を這うような苦しみがつづくであろう。
このような内科的治療限界をはるかにこえた循環不全に対し機械的手段を用いて循環の補助,代行を行い,併せて冠循環,腎循環,血液ガス交換の改善などをも計り,一旦悪循環におちいった心不全患者の心筋収縮力の回復をはかろうとするのが補助循環法である。
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