Japanese
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装置と方法
Tantalum Powder使用による10〜15倍拡大気管支造影法について
10~15 Fold Magnification Bronchography using Powdered Tantalum
窪田 達也
1
Tatsuya Kubota
1
1自治医科大学麻酔科
1Dept. of Anesthesiology, Jichi Medical School
pp.993-998
発行日 1975年11月15日
Published Date 1975/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202832
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従来,気管支疾患の検査法の一つとして気管支造影が行なわれて来たが,使用する造影剤が油性ないしは液性であるため,末梢気管支を充満,閉塞してしまう傾向があり,得られた気管支陰影は比較的径の太い所の病変のみを検出するにすぎなかった。それ故に気道生理学の見地からは従来の気管支造影は全く付加的情報を提供するにすぎないと考えられていた。しかしながら,生理学的アプローチによって得られたデータの意義は常に解剖学的形態学的変化の認識の上に立って論じられるべきことは衆知の事柄である。
1971年Nadelら1)によって開発された造影剤tantalum powerの使用と拡大気管支造影法の併用は従来の方法と異り肺機能を障害しないため,同時に生理学的検索をも可能にした2)。この手技の特長は薬剤の作用部位の同定を可能にしたこと,換気中の気道の伸縮状態をdynamicに直視的に観察できることなどである。また細気管支領域の検索も可能なことから最近問題となっているsmall airway diseaseの早期異常を安易に検出,診断できるものと考えられる。
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