Japanese
English
Bedside Teaching
術後のhypoxia
Post-operative hypoxia
天羽 敬祐
1
,
奥津 芳人
1
Keisuke Amaha
1
,
Yoshito Okutsu
1
1横浜市立大学医学部麻酔学教室
1Dept. of Anesthesia, Yokohama City Univ. School of Med.
pp.999-1003
発行日 1975年11月15日
Published Date 1975/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202833
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手術後,患者に空気を呼吸させておくと,動脈血酸素分圧PaO2が明らかに低下するという現象は,かなり以前から知られていた1)。しかしこの術後のhypoxiaは15年ほど前までは主として開胸手術などの侵襲の大きな大手術後に起こるもので,いわゆる小手術後には臨床的にあまり問題にはならないとされていた。
術後のhypoxiaにはいろいろの原因が考えられる。たとえば,創部の痛みによる呼吸抑制,気道内分泌物の増加,あるいは麻酔剤その他による呼吸抑制などで容易にhypoxiaが起る。1962年Nunnらは全身麻酔後の患者では,たとえ小手術後で麻酔の影響がなくなった時でも,術後にはPaO2が明らかに低下することを観察した2)。これを契機として術後hypoxiaは臨床的にも重要な問題として注目されるようになり,その後同じような観察結果が相次いで報告されるようになった3)〜6)。
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