Japanese
English
特集 呼吸機能検査のシステム化
軽度閉塞性障害検出のためのシステム化—特にsmall airway diseaseの診断に関連して
A systematized method of diagnosis in mild chronic obstructive lung disease with particular attention to the early detection of small airway disease
西田 修実
1
,
神辺 真之
1
,
平本 雄彦
1
Osami Nishida
1
,
Masayuki Kambe
1
,
Takehiko Hiramoto
1
1広島大学医学部第2内科
1Dept. of Int. Med., Hiroshima Univ. School of Med.
pp.583-593
発行日 1975年7月15日
Published Date 1975/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202784
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最近先進国では,主として大気汚染,喫煙などに基づいて発症すると考えられる慢性閉塞性肺疾患(chronicobstructive lung disease, COLD)が注目されていることは周知であるが,これはCOLDの患者が息ぎれを訴えて病院を訪れた時,既に不治の病になっていることが多く,またCOLDの末期には呼吸不全に陥って死に至ることが多いからである。このことは患者にとってもまた医師にとっても非常に嘆かわしいことである。
COLDはしばしば末梢気道部(細気管支領域)の病変から始まるといわれているが,その初期には症状として咳漱,喀疾のみのことが多いので,ほとんどの場合放置されている。Kleinermanら1)によると,外傷などで急死した若年者の肺を検索した結果,小葉中心型肺気腫は,10歳代で既に約23%,20歳代で約50%の者に,また汎小葉型肺気腫は,10歳代で約6%,30歳代で約25%の者に認められ,これらの病変は年齢と環境の影響を最も強く受けていたと述べているが,このことから明らかであるように,末梢気道部の病変はかなりの例で既に若い時に始っているのであろう。
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