Japanese
English
Bedside Teaching
細気管支炎—small airway diseaseとの関連において
Bronchiolitis
松葉 健一
1
,
杉山 浩太郎
2
Kenichi Matsuba
1
,
Kotaro Sugiyama
2
1門司鉄道病院呼吸器科
2九州大学医学部胸部疾患研究所
1MOJI Hosp. of J.N.R.
2Research Institute for Diseases of the Chest, Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.1061-1065
発行日 1972年12月15日
Published Date 1972/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202444
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
一般に,細気管支炎は小児の疾患として知られていたが,成人の疾患として注目されるようになったのは比較的最近のことである。もともと細気管支を含む気道末梢部領域(細気管支・終末細気管支・呼吸細気管支など)は,肺自身の加齢現象や大気汚染・喫煙との密接な関係について論じられてきた。
しかし,この領域に大きな関心が寄せられるようになったのは,1968年にHoggらがいわゆるsmall airwaydiseaseという概念を提唱してからであろう1)。その後,細気管支の病変はそれまでのように単なる独立疾患ということではなく,慢性閉塞性肺疾患の成因と関連して論じられるようになった。それでも,細気管支の病変に関する知識はいまだに十分ではなく,この領域の病変を胸部レ線写真や肺機能検査により検出することは困難で,診断ができるようになった時にはすでに他の部の病変も加わって手遅れになっていることが多いといわれている。このため,気道末梢部領域は肺におけるquiet zo—neとも呼ばれており2),よりいっそうの研究が強く望まれている。
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.