Japanese
English
特集 Large airwayとSmall airway
Large airwayとSmall airway—閉塞性換気障害の早期検出法に対する検討
Large airway and small airway: Studies on early detection of airway obstruction
佐竹 辰夫
1
,
龍華 一男
1
,
高木 健三
1
,
原 通広
1
Tatsuo Satake
1
,
Kazuo Ryuge
1
,
Kenzo Takagi
1
,
Michihiro Hara
1
1名古屋大学医学部第2内科
12nd Dept. of Int. Med., Nagoya Univ. School of Med.
pp.589-598
発行日 1976年7月15日
Published Date 1976/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202922
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I.Small airway diseaseの意義と研究の歴史
通常,軟骨をもたない細気管支以下の細い気道,あるいは簡単に直径2〜1mm以下の末梢気道をsmall airwayと呼んでいる。既に1967年,Meadら1)は,1秒量はsmall airwayにおける抵抗の変化を指摘するのには鈍感であると述べ,更に,犬肺の実験成績から,もしsmall airwayの抵抗が全気道抵抗の1/10に過ぎないなら,その半分が不均等に閉塞されても肺全体としての気道抵抗は10%しか上昇しないと警告した。1968年,Hoggら2)は,small airwayの抵抗は全気道抵抗の10〜30%と警告し,その異常は従来のルチン肺機能検査では捉え難いと述べた。一方,私ら3)の研究によると,small airwayの疾患はルチンの肺機能検査で異常を検出できない時期からガス分布障害のために呼吸不全に陥り易い厄介な疾患であった。したがって1969年にWoolcockら4)がこれをsilent zoneと名付けるに及んでにわかに注目を浴び,small airwayの疾患の存在が大きくクローズアップされた。
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