Japanese
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特集 呼吸機能検査のシステム化
疫学調査のためのシステム化—特に大気汚染と関連して
Programs of respiratory function tests for population studies relating air polution
佐々木 孝夫
1
Takao Sasaki
1
1東北大学医学部第1内科
11st Dept. of Int. Med., Tohoku Univ. School of Med.
pp.577-581
発行日 1975年7月15日
Published Date 1975/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202782
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大気汚染と関連して呼吸機能検査の疫学調査のシステム化を考える時,そのステップは
1.大気汚染によりいかなる呼吸器障害が起るか
2.その障害をいかなる呼吸機能検査が検知できるか
3.検知可能な呼吸機能検査を疫学調査に適するよういかに修正するか
の順となる。
それぞれのステップでシステム化の条件あるいはシステム化を困難とする因子があろう。しかし,本問題では,出発点のステップで問題が多すぎ,2以降のステップが進んでいない現状にある。即ち,汚染物質,作用時間の長短で障害部位,程度等が異なり,大気汚染と一括してとり扱えない面が多い点である,かかる現状において,本問題を考えるには各ステップでそれぞれ仮定を設け進まねばならない。したがって,作られたシステムが有効か否かは,いかに真に近い仮定がとられたか否かに依存する。真に近い仮定を設定しようとすれば,個々の問題のほりさげとなり,システム化が進まないというジレンマにあるのが,大気汚染と呼吸機能検査による疫学調査の関係である。
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