Japanese
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特集 Fibrosing Lung Disease (FLD)
FLDへの概念の変遷
Historical Survey of the Concept of "Fibrosis of the Lung"
本間 日臣
1
Hiomi Honma
1
1順天堂大学医学部内科
1Dept. of Int. Med., Juntendo Univ.
pp.4-10
発行日 1975年1月15日
Published Date 1975/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202700
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Fibrosing Lung Disease (FLD)という用語が生れるまでの肺線維症の概念の変遷をまとめよという本紙編集部の注文である。それではFLDとはどういう概念か。1973年2月,中村,隆笹本浩両教授らのお世話で第1回の肺線維化の機序をめぐるシンポジウムが開催された。その目的は,同シンポジウム記録1)の冒頭の中村教授の「シンポジウム発足にあたって」の中にあるように,「閉塞性疾患の解明は大いに進んだが,拘束性肺疾患は増加しつつあるにもかかわらず,原因の明らかでないものが多く,ひろく各領域の専門家による総合された研究により,肺線維化に至る複雑な道が解明されなければならない」ことにあった。更に,「この観点から,肺線維症というよりは,Fibrosing Lung Disease—滝島教授の提唱による—をともに語り,ともに考え,ともに究明する人々の集いを作ることを意義あるものと考えて提唱したのである……」と述べられている。これがFLDという用語の最初の出現である。まだ僅々2年に充たないから,大部分の読者にとって耳新しいものに違いない。それでは提唱者の滝島教授の意図はどこにあるのか。
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